4.クレージー(ビクトリアン・キルト)
 
 



1880年 オハイオ州・164cm×159cm

クレージーキルトは花、蝶、扇など様々なモチーフが見られます。中でも扇はビクトリアンクレージーキルトの代表的なモチーフです。他のキルトは木綿の使用が多いのに比べてクレージーキルトは絹を豊富に用い、さらに表面全体に刺繍が施されているなど、アメリカンキルトの中でも独特の要素を持っています。また刺繍のステッチや布地がバラエティに富んでいればいるほど、またピースの形が複雑で不定形であればあるほど面白さが加わります。クレージー(Crazy)は「気ちがいじみた」とか「ひび割れた」という意味があります。その意味を彷彿させるように不定形の布地を使い、材質もコットン以外のシルク、ベルベット、ビロード、サテンなど、いままで使われていなかった贅沢なものです。これらは台布の上に刺繍でとめつけているため、キルティングの必要はありません。クレージー・キルトはイギリスのヴィクトリア時代の豪華絢爛たる伝統を取り入れています。

 

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